東京高等裁判所 昭和43年(行ケ)118号 判決
〔事実〕第二 請求の原因
原告訴訟代理人は、請求の原因として、次のとおり述べた。
一 特許庁における手続の経緯
原告両名は、昭和三十八年中、「船舶用ショアリングスタンション」について実用新案登録出願(同年実用新案登録願第八〇七四八号)をしたところ、昭和四十二年三月九日拒絶査定を受けたので、同年五月四日、原告ら訴訟代理人M弁理士を代理人として審判を請求したところ(同年審判第三三三〇号事件)、昭和四十三年六月十一日、「本件審判の請求を却下する」旨の審決があり、その謄本は同年八月七日原告らに送達された。
二 本件審決理由の要旨
本件審判請求書には請求人ら代理人の代理権を証する書面(委任状)が添付されていないので、審判長が期間を定めてその退完を命じたが、遂にその提出がないので、本件審判の請求は、代理権を有しない者がしたものとなり、不適法なものとして却下する。
三 本件審決を取り消すべき事由
原告らは、昭和四十二年八月四日付の審判長の補正指令に応じ、同年八月十九日、特許庁出願課に、M弁理士に対する委任状を提出して受理されていたのであるから、これを看過して、本件審判の請求を却下すべきものとした本件審決は、違法であつて、取り消されるべきものである。
第三 被告の答弁
被告指定代理人は、答弁として、原告ら主張の請求原因事実はすべて認める、と述べた。
第四 証拠関係<省略>
〔決定理由〕本件に関する特許庁における手続の経緯、本件審決理由の要旨および本件審決を取り消すべき事由として原告らの主張する事実は、いずれも当事者間に争いがなく、これらの事実によると、原告ら(請求人ら)代理人M弁理士の委任状の提出がないことを理由に、本件審判の請求を不適法として却下した本件審決は、違法のものであることが明らかである。
よつて、その取消を求める原告らの本訴請求を、理由ありとして認容する。<以下略>
(服部高顕 三宅正雄 石沢健)