東京高等裁判所 昭和43年(行ケ)40号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕(本件決定を取り消すべき事由の有無について)
二 本件審判請求書却下の決定は、これに先だつて手数料不足額について納付を命ずることなくしてされたものというほかなく、したがつて、その点において違法として取消を免かれない。詳言すれば、本件に現われたすべての証拠資料によるも、本件審判請求のための手数料の不足分(金二千円)について、審判長が追納を命じた補正命令が審判請求人である原告の代理人N弁理士に送達された事実は、ついにこれを確認することができない。すなわち、<書証>によれば、昭和四十二年四月二十六日、審判長において不足手数料金二千円を納付すべきことを命じた補正指令書が作成された事実、同年五月六日、補正指令書入りの封書一通が判審請求人の代理人であるN弁理士あてに特別送達により、送達された事実および右封書中には住所の表示に関する補正指令書が封入されていた事実(この事実は原告において自認するところである)は、これを肯認することができるが、右封書中に問題の不足手数料に関する補正指令書が同封してあつたことを認めうべき資料は存しないのであるから、結局、不足手数料に関する補正指令書は、原告に送達されたとすることはできない。
(むすび)
三 以上のとおりであるから、他に不足手数料の追納を命じた補正命令が原告によつて了知されたことについて何らの主張も立証もない本件においては、本件審判請求書の却下決定は、特許法第百三十三条第一項の手続を履践することなくしてされた違法のものというほかはない。よつて、これを理由に、その取消を求める原告の本訴請求は理由があるものということができるから、これを認容する。(服部高顕 三宅正雄 石沢健)