大判例

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東京高等裁判所 昭和44年(ネ)2488号 判決

しかし当裁判所は商法二六二条の規定によつて控訴会社は本件手形につき手形金支払の責を負うものと解する。

すなわち、以上に認定した事実関係および前出甲第一号証(本件手形)によると右約束手形面に表示された振出人の氏名は控訴会社である三和体育製販株式会社代表者代表取締役村川泰助であつて、ただ右代表者の記名捺印をした下村秀甫には代表権はないが控訴会社においては前記に認定したような地位にある右下村に対し「常務取締役」という会社を代表する権限を有すると認められる名称を使用させ営業活動をさせていたのであり、一方被控訴会社が右下村に代表権がないことを知つていたことを肯認できる立証はなく、却つて原審証人谷口富美夫の証言とこれによつて真正に成立したものと認める甲第五ないし第九号証、同第一〇号証の一、二によつて被控訴会社としては右下村の代表権の欠缺に善意であり調査の結果本件手形は控訴会社においてその権限ある代表者によつて提出されたものと信じていたことが認められる。

そうだとすると常務取締役下村秀甫が自己の氏名を手形面上に表示した場合と同様、控訴会社は本件手形金支払の責を負うと解すべきである。(昭和四〇年四月九日第二小法廷判決参照)

(川添利 荒木 田尾)

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