東京高等裁判所 昭和44年(行ケ)116号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕ところで、被告は、本件特許出願に関する拒絶理由は適法に原告に通知した旨主張するけれども、これを認めるに足りる<証拠>がないのみならず、かえつて書証によると、特許庁における審査の過程で、本願に対する拒絶理由通知書が出願人代理人北村学の名宛で作成されていること及び拒絶査定謄本は原告の正規の代理人であつた北村修宛に作成され、同人に送達されたことが認められ、かつ右北村学が実在の弁理士であることは当事者間に争いのないところであるから、これらの事実によると、右拒絶理由通知書は、誤つて、原告の代理人でない北村学弁理士に送付されたものと推認せざるをえない。
したがつて、本件審決は、原告に対する拒絶理由の通知を欠いたまま、本件特許出願を拒絶すべきものとしたことに帰着し、この点において違法であつて取消を免れないものというべきである。
よつて、その主張のような違法事由あることを理由に本件審決の取消を求める原告の本訴請求を、理由ありとして認容する。(服部高顕 石沢健 奈良次郎)