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東京高等裁判所 昭和45年(く)231号 決定 1970年10月08日

少年 G・N(昭二六・三・三一生)

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告申立の理由は、少年提出の抗告申立書記載のとおりであるから、これを引用し、これに対し次のとおり判断する。

記録によれば、少年の保護者である兄G・Yは、昭和四五年八月二一日午前一〇時の原審審判期日の呼出状の送達を適法に受けたにかかわらず、なんらの連絡をすることもなく右審判期日に出席しなかつたものであり、保護者の出席は審判を行なうためには不可欠な要件ではないのであるから、原審が同人の出席がないまま審判を行なつたことに違法の点は存しない。所論は、仮退院の際その遵守を誓約した一般及び特殊遵守事項を遵守することができなかつたことにつき、やむを得ない事由ないしは担当保護司の事前の了解があつたかのように主張し、原決定の定めた処分は不当であるというが、関係記録を精査してみると、所論の主張することは、証拠上容認できないことであり、少年の資質、環境等を総合したうえ、少年に対しては在宅保護による改善を期待することは不可能であるとし、これを中等少年院に戻し収容するとした原決定の処分はもつともであり、これを不当ということはできない。論旨は理由がない。

よつて、少年法第三三条第一項、少年審判規則第五五条、第五〇条により本件抗告を棄却することとし、主文のとおり決定する。

(裁判長判事 上野敏 判事 桑田連平 判事補 稲田輝明)

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