大判例

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東京高等裁判所 昭和45年(ネ)1354号 判決

証拠によると、控訴人小川は本件無尽講を落札し金二五万三九〇〇円の講金の給付を受け、これに対し金五七万円の返済義務を認め、一口一回金一万五〇〇〇円ずつ従つて二口合計金三万円を昭和四七年七月二八日まで掛戻すことを約し、講に対し連帯借用証書(甲第一号証)を差入れていることが認められるから、このことからすると、右落札金の受領及びその掛戻しの約定は、高利をもつて金員の貸付を受け、これを分割して弁済することを約した消費貸借であるかのような外観がないでもない。しかし落札者が講金を受領するにあたり講に対し借用証書を差入れたとしても、それに単に掛戻債務を明示し、これを準消費貸借をしたに過ぎず、旧掛戻債務を消滅せしめ、新たに消費貸借上の債務を負担する更改の性質を有するものではなく、しかも前記争いのない事実及び証拠によると本件無尽講は講員相互の金融を図る目的で、被控訴人を会長(世話人)とし総口数五五口をもつて組織し、一口の掛金一万五〇〇〇円を定期にその持口に応じて掛込ませ、掛込者に対して順次入札と口せりの方法により落札者を定め、一定の給付金を交付することになつており、また講員相互においても講の関係から生ずる権利義務を有することが認められるから、本件無尽講は組合類似の性質を有するものであると解するのが相当であり、従つて本件掛戻債務は消費貸借に基づくものではなく、これについては利息制限法の適用される余地はないものというべきである。ただ落札の金額と講金との差額が生ずることは必然であるが、これは講会における飲食その他の諸経費にあてられ、なお余剰あるときは別に金融機関に預入れ、もしくは会員に貸与することができることは、成立に争いない甲第二号証の会則に明らかであつて、かかる余剰金は究極には会員に分配せられるべきものと解せられるから、落札の限度を定めないとしても、かくべつの不都合はない。この点に関する控訴人の主張は採用の限りでない。

(浅沼 岡本 田畑)

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