東京高等裁判所 昭和45年(ネ)1807号 判決
以上のとおり、本件出向に関する人選ならびにかかる人選の経過から控訴人の同意を得てなした本件出向それ自体に所論のような不合理性を認めることはできず、したがってまた、かかる経緯による本件出向を拒否した控訴人に対してした被控訴会社の本件解雇処分に控訴人主張のような解雇権の乱用があるとは認め難い。
六 (本件出向命令の労使協定違反―出向命令権の乱用ないし解雇権の乱用―の主張について)
本件出向が控訴人主張のような労使協定に違反するものでないことは、原判決理由三の(三)(2)のうち五行目以下(四九枚目裏五行から五〇枚目表一一行まで)の認定・判断のとおりであるから、これをここに引用する。そして、当審で取調べた各証拠によつても、右主張事実を認めるに足りないから、所論の右権利乱用の主張はいずれも理由がない。
七 (本件解雇の根拠、有効性について)
本件解雇は、被控訴会社が控訴人の同意に基づいてなした本件出向命令を控訴人がのちに相当の理由なく拒否し、会社の右業務命令に従わなかったことを理由になされたものであることは前述のとおりであり、それが適法、有効であることは、原判決理由五記載のとおり(ただし、五一枚目表五行から五二枚目表一〇行まで)であるから、これをここに引用する。そして、本件解雇処分が控訴人主張の不当労働行為あるいは解雇権の乱用に該当するものでないことは、既に四ないし六項において判断したとおりであり、原審および当審の各証拠一切を参酌検討しても、他に、本件解雇処分を無効とする理由は認められない。
(中西 小木曾 深田)