東京高等裁判所 昭和45年(ネ)1961号 判決
二 主文第一項記載の控訴人らの請求について
被控訴人は、本案前の主張として、右控訴人らの訴訟承継を争い、同人らの各被相続人の本件訴の訴訟物は一身専属権であって、その死亡により訴訟は当然終了したから、訴訟承継を前提とする右控訴人らの訴変更もありえない、と主張するが、右控訴人らの各被相続人が原告として、被控訴人に対し提起し追行していた本件訴は、記録上明らかなように、右被相続人らが被控訴人との雇用関係に基づきその従業員たる地位を有することの確認を求めるものであるところ、被傭者の従業員たる地位の存否の確認請求が許されるゆえんは、労務の対価である賃金の支払請求権等の権利義務の基本たる法律関係としてこれが存否の確認を求める法律上の利益があると解せられるからであって、その訴訟物は一身専属のものとはいえないから、原審原告小池市左吉、同吉野謙平、同鈴木寅松の死亡によって同人らを当事者とする訴訟は当然には終了しないものといわなければならない。被控訴人挙示の判例は、本件と事案の性質を異にするものである。
(安倍 中島 桜井)