東京高等裁判所 昭和45年(ラ)1061号 決定 1971年3月30日
抗告人 横田照信
主文
本件抗告を棄却する。
理由
本件抗告の理由は抗告状に「原審における申立書記載のとおり、外に追つて書面で陳述する」旨記載があるが、今にいたるまでその余の陳述がないからこれを知るに由ないが、本件のような執行方法に関する異議に伴い強制執行の一時の停止を命じうるためには、法律上直接の明文はないが、事がらの性質上、その異議のため主張した事情が法律上理由ありと見え、かつ事実上の点につき疎明があることを要するものと解するのが相当である(民事訴訟法第五四七条第二項参照)。
原決定はかような見地から本件申請を却下したものであることはおのずから明らかであり、記録を精査しても原決定の誤りは発見することができない。従つて本件抗告は理由がないものとして棄却すべきである。
よつて主文のとおり決定する。
(裁判官 浅沼武 岡本元夫 田畑常彦)