大判例

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東京高等裁判所 昭和45年(ラ)200号 決定

本件抗告の理由は、本件の訴状却下命令によると、無資力で訴訟用印紙を貼用する能力のない者は、たとえどのような苦痛や損害を被つたとしても民事訴訟を提起できないこととなり、かくては裁判を受ける権利を認めた憲法の精神に反するから、その取消を求めるというもののようである。

しかしながら、国家が民事訴訟を利用する者に対し手数料として民事訴訟用印紙法による印紙を貼用して納付することを定めたとしても、他方印紙を貼用することができないなど無資力の者に対しては、一定の要件を定めて訴訟上の救助の制度を設けているのであるから、自己の権利の救済を求める者がたとえ無資力であってもこれによって直ちに裁判を受ける権利を妨げられるものではない。もっとも抗告人が訴訟上の救助の申立をして却下され、さらに当裁判所に抗告をして棄却されたことは顕著な事実であるが、訴訟上の救助の要件を充たさない者の出訴が無資力のため事実上妨げられたとしても、これが憲法の精神に反するということはできないから、抗告人の所論は理由がない。

(桑原 高津 浜)

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