大判例

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東京高等裁判所 昭和45年(ラ)912号 決定

しかしながら、原決定が説示するとおり、不在者小林よしのが本件失踪宣告を受けると、同人は、その四男茂樹が交通事故によつて死亡した昭和四〇年一二月五日より前の昭和三八年六月二三日に死亡したものとみなされることになる。そうすると、不在者、小林よしのの財産管理人である抗告人による別件訴訟中の請求のうち、亡茂樹が右事故によりその加害者たる相手方に対して取得した損害賠償請求権を小林よしのが相続したか否かは格別として、相手方に対し茂樹の母として取得したとする固有の損害賠償請求権は、ついに発生するに由なきことも原決定の示すとおりである。

かくして相手方は、単なる一般の金銭債務の債務者であるに止まらず、現に問われている法律上の義務の存することが、その義務の発生したとされる時点において、不在者が生存したことによつてのみ肯定されるような法律関係に立つているのであるから、相手方は、本件失踪宣告の申立をなすにつき民法三〇条一項の規定にいう「利害関係人」であるといわざるをえない。

(中西 松永 長利)

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