大判例

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東京高等裁判所 昭和45年(ラ)983号 決定

本件抗告は、抗告人不知の間に、抗告人の氏名を冒用した者が右申立書を提出して申し立て、かつ、その者が更に、抗告人の氏名を冒用して右取下書(押印を欠く。)を提出したことが認められる。他に本件抗告並びに抗告取下を、抗告人本人の意思にもとづくものとして有効ならしめる資料は全く認められない。

ところで、氏名を冒用した者によつて抗告が申し立てられたときは、氏名被冒用者を抗告人として当該抗告事件が係属すると解するのが相当である。そして、一たん抗告人を当事者として当該抗告事件が係属した以上、たとえ、右氏名冒用者が更に抗告人名義を冒用した取下書を提出しても、同人は同事件の当事者であるとはいえないから、同事件を取下により終了せしめる余地はない。したがつて、本件抗告は、抗告人の氏名冒用者によつて申し立てられたものとして、その余の判断をするまでもなく、却下すべきである。

(柳川 後藤 平田)

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