東京高等裁判所 昭和46年(う)1268号 判決
被告人 加藤芳雄
〔抄 録〕
道路交通法第三八条第一項は、交通整理の行なわれていない横断歩道における車両の一時停止義務を定めており、この規定は、横断歩行者が横断歩道により、道路の左側部分を現に横断中か、または、前同部分を横断しようとしているのを認めた場合において、その車両に対し、一時停止の義務を負わしめたものであるが、この義務が守られ、これにより、横断歩道による横断歩行者の安全が確保されるためには、車両の運転者において、少なくとも、進路前方に横断歩道が存在することを認識し得、かつ、この横断歩道による横断歩行者が存在する可能性を知り得た時点、または、それ以後適当な時点において、あらかじめ車両の速度を調節しつつ進行することにより、もし現に横断歩道の左側部分を横断中の歩行者または、横断歩道により前同部分を横断しようとする者を認めたときは、直ちに前示の一時停止義務を履行しうるよう措置しながら運転すべき業務上の注意義務があるものといわなければならない。
(堀 平野 林)
註 本件破棄は量刑不当