東京高等裁判所 昭和46年(ウ)1088号 決定
非訟事件手続法第一九条による裁判の取消変更は、第一審裁判所のみが自己のなした裁判に限つてこれをなし得るのであり、抗告裁判所はこの権限を有しない。けだし抗告審の権限は抗告の裁判に限られるからである―従つて抗告審が実体について裁判をなした場合は(第一審の裁判を取消または変更した場合のみならず、抗告を理由なしとして棄却した場合を含む)、第一審裁判所は、もはや取消変更をなし得ない―。そして右解釈は、非訟事件手続法第一九条のみならず、同法第二〇条、第二三条、第二五条、民事訴訟法第四一七条―再度の考案は、抗告によつて不服が申立てられた第一審裁判所の決定についてのみ認められる―等の規定を通観しても、その妥当なことが分る(のみならず、右については、高等裁判所の決定に対し抗告が許されるのは、民事訴訟法第四一九条ノ二の特別抗告の場合に限られる―裁判所法第七条第二号参照―ことも考えあわされる。)
(久利 三和田 栗山)