東京高等裁判所 昭和46年(ツ)30号 判決
上告人(被告) 桑原あき
被上告人(原告) 宮下朝
〔抄 録〕
原審が証拠上適法に確定した事実によれば、「被上告人は、前に本件土地についての所有権を主張して訴外桑原ナツ子に対し提起した土地明渡請求の訴において請求棄却の判決を受け、同判決は同四二年三月八日確定した。ところで昭和一六年六月二八日生れのナツ子は、上告人の養女であるが、中学校卒業とともに東京へ転居し、同四二年看護婦となつて引続き東京に居住し、経済的にも独立し、上告人とは別居しているもので、上告人は本件土地をナツ子のために占有管理しているものではなく、自己のためにこれを占有しているものである。」というのであつて、原審は、上告人が右確定判決の基礎とされた口頭弁論終結後のナツ子の承継人なること及びナツ子のために本件土地を所持することをともに否定していることが明らかである。上告人の主張するように、上告人とナツ子とが養親子関係にあつても、このことは、以上の判断の妨げとならない。よつて、原審が上告人の本案前の抗弁を排斥した判断は相当であつて、論旨は理由がない。
(中西 松永 長利)