東京高等裁判所 昭和46年(ネ)1755号 判決
一 一般に市道を廃止してこれを第三者に払下げる場合には、右の払下申請書は被告の建設局土木部管理課で受理することになっていること、この申請書が受理されると、管理課としては申請の対象となっている市道が一般の通行に利用されているかどうか(道路としての利用価値があるかどうか)を現地について調査することになっていること、調査の結果、道路廃止の要件が備わっていると認めたときには、県知事に対し廃道敷譲与申請をなし、知事から譲与許可書の交付を受ける等の手続をとった後に、払下事務を担当している土木部用地課に手続書類を廻すことになっていること、このように市道の払下手続そのものは用地課の所管ではあるが、それに先行する前記の申請書受理ないし譲与許可書受領の一連の手続行為は管理課の所管であって、後者の手続を省略して払下をすることは許されない建前になっていることが認められ、これを覆すに足りる証拠はない。この事実によれば、払下行為そのものは用地課の所管であるとはいえ、それに先行する前記一連の手続行為は管理課の所管であるというのであって、後者は前者と密接な牽連関係にあることが明らかであるから、管理課課員である水島のした前記行為は、その権限を逸脱したものであるとはいえ、客観的・外形的に考察すると、なおその職務と密接に牽連してなされたものとみるのが相当である。
(久利 栗山 館)