東京高等裁判所 昭和46年(ネ)3279号 判決
いずれも成立に争いのない甲第一一号証および乙第七号証、公文書であるから真正に成立したものと推定すべき乙第三号証によれば、控訴人がその真否の確認を求めている原判決添付別紙記載の「修正家賃の通知」なる文書(原審において甲第二号証の一ないし四として提出されているもの)が、(一)東京高等裁判所昭和三五年(ネ)第二、八五四号事件(同三七年九月二八日判決言渡)において甲第一五号証として、(二)東京高等裁判所昭和三八年(ネ)第一〇四号事件(同四四年四月三〇日判決言渡)において乙第四六号証の一として、(三)東京高等裁判所昭和四二年(ネ)第四六三号事件(同四六年九月三〇日判決言渡)において乙第八号証の一としてそれぞれ被控訴人から提出され、右(一)および(二)の事件の判決理由中において裁判所による事実認定の資料とされており、これら判決がいずれも控訴人敗訴のものであることが認められ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。右書証がこれら判決の形成にどのような決定的影響を与えたか、これがなければ判決はどのようになるかは必ずしも明らかではないけれども、もし本件文書が偽造であること(すなわちその成立が真正でないこと)が確認されれば、控訴人は右各判決について上訴または再審の手続において控訴人に利益の判決を受ける可能性がひらかれないとはいえない関係にあるものということができる。従って控訴人は本件訴えを提起して本件文書の真否を確定されることにより控訴人の現在における法的地位の不安定が除去されるという法律上の利益を有するものというべきである。
(浅沼 間中 園部逸)