大判例

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東京高等裁判所 昭和46年(ネ)412号 判決

一、本件事故は控訴人ら夫婦の長男孝夫(当時二一年)が弟利文(当時一八年)のほか訴外皆藤正美、同坂真喜男(両名はいずれも孝夫と同年でその高校時の友人)および被控訴人ら夫婦の三男金永洙(当時一七年、高校三年に在学し、利文の友人)の四人を同乗させて惹起したもので、これにより、右五名のうち孝夫、利文、金の三名が死亡し他二名は負傷したが、同事故は当日夜同五名が控訴人ら方――控訴人豊は被控訴人らのいうように、不用意に右の者らに酒を供した――ほか一ケ所(新治郡千代田村の料飲店「千種」)で相共に、かなり飲酒したのちのことであり、金は、孝夫が飲酒の上自動車を運転するものであることを充分諒知して、他の者らとともに同乗したもので、金が孝夫の飲酒の上の運転を止めさせることに努めたり、自己の意に反して同乗を余儀なくされたような特別の事情はないことが認められ、この認定を覆えすに足りる証拠はなく、飲酒運転が法の禁ずるところであって、一般に運転上の危険を伴うおそれのあることは世間周知のところであるから、金の年令を考慮に入れても、弁論の全趣旨上事理弁別能力があると見られる同人がたやすく他の者らと同調し孝夫が右のように飲酒の上自動車を運転する情を知りながらこれに同乗した点において本件事故の被害者たる金にも過失があったものというべく、以上認定事実の下では――もとより控訴人豊が前記のように不用意に孝夫らに酒を供した点をも考慮に入れた上で――その過失の割合は、孝夫二に対し金一と認めるのが相当である。よって右のとおり被害者金の過失を斟酌すると、同人が本件事故によって蒙った逸失利益の損失額は前記金四、八九一、九三〇円の三分の二に当る金三、二六一、二八六円(円以下切捨)となるべきである。

二、ところで当審での被控訴本人金大錫の供述と弁論の全趣旨とに徴すると、本件事故により死亡した金は、父たる被控訴人金大錫と同様韓国の国籍を有していたものと認められるから、わが法例(第二五条)により被相続人たる金永洙についての相続の準拠法となる韓国民法(第一〇〇〇条、第一〇〇七条、第一〇〇九条等)にもとづき、金の父母たる被控訴人らは、金の共同相続人として、各二分の一ずつの相続分により、財産相続をなすこととなる。

(久利 三和田 栗山)

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