東京高等裁判所 昭和46年(ネ)881号 判決
右認定の事実によれば、被控訴人は、前認定の本件売買契約書作成当時も正常な認識力や予期力を欠如し、右契約の内容を理解し、自己の行為の結果を判断しうる精神能力を有していなかったものであり、全くの意思無能力者とまではいえないとしても、少くとも本件売買契約締結については法律上の意思能力を具えていなかったものと解するのが相当である。
被控訴人が昭和四二年一月九日準禁治産宣告の審判を受けたことは当事者間に争いがないが、右審判は当該行為の場合は意思能力に欠けるものがあったか否かを問わず保佐人の同意がないときは常にこれを取消し得るものとして準禁治産者と宣告されたものを保護することを目的としてなされるものであって当該行為における行為者の意思能力の程度を確定するものではないから、前記認定の妨げとはならない。
(菅野 渡辺 小池)