東京高等裁判所 昭和46年(ネ)902号・昭46年(ネ)811号 判決
ところで、前記のように先順位の抵当権を有する債権者が配当手続から除外され、後順位の債権者が債権の満足を受けた場合においては、先順位の抵当債権者は、配当表に異議を述べなくても、正当に配当手続が実施されたならば配当を受けえたであろう金額を、誤って配当を受けた後順位の債権者に対し、不当利得として返還を求めることができるものと解されるが、本件において被控訴人が第一順位の抵当債権者として優先弁済を受ける権利を有していたことは前認定のとおりであるから、本件の競売代金は、執行費用、公租公課についで、まず被控訴人の抵当債権の弁済に充当し、その後控訴人らに債権額に応じ平等に配当すべきであったというべきである。そして被控訴人が本訴において右抵当債権者としての権利行使をした場合の配当金相当額の請求をする以上、その金額が被控訴人主張の請求原因8項記載の金額となることは計算上明らかであるから、控訴人らは控訴人らが本件配当手続において現実に受領した金額と右8項記載の金額との差額(控訴人吉野については金六二八、九七六円、控訴人東京日産自動車販売株式会社については金三〇六、〇〇四円)をそれぞれ不当利得として被控訴人に返還すべき義務がある。
(畔上 下門 兼子)