東京高等裁判所 昭和46年(ラ)338号 決定
よって審按すると、商法四〇八条ノ三所定の「承認の決議なかりせば其の有すべかりし公正なる価格」とは、清算価格ではなく、また必ずしも市場価格と一致するものではなく、営業の存続を前提として決議がなかったとすれば決議の日にその株式の有すべかりし価格を指称するものと解すべく、裁判所が右価格の決定をなすにあたっては、当該会社の純財産額、過去の業績、将来の繁栄、収益、配当の見込、上場価格、市場価格等一切の事情を斟酌して決定すべきものであると解すべきところ、原審も、右と同じ見解に立って本件株価の決定をしたものであることが原決定から明らかであるし、原決定の説示する株価算定方式も、本件株価算定の一資料としては採用できるものであるし、更に、本件全資料に基づいて前記一切の事情を斟酌し検討すると、本件株価を金四三円と定める原決定の判断は結局正当として支持することができる。
(江尻 後藤 平田)