東京高等裁判所 昭和47年(う)1491号 判決
被告人 長谷川一郎 外一名
〔抄 録〕
職権で調査するに、刑訴規則五五条一項、五七条二項、五八条一項、二一九条、四四条一項二号の諸規定に徴すると、判決原本には判決をした裁判所を必ず記載することを要するものと解せられるところ、原判決書末尾には裁判長裁判官市川郁雄、裁判官青木昌隆(裁判官森本雄司は転任)の各署名押印があるのみで、右裁判官らによる合議体を構成した裁判所の記載を欠如しているから、右は判決書原本の形式要件を具備しない違法のものといわなければならない。しかして、右の違法は、判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続上の法令違反に該当するので、控訴趣意に対する判断を俟つまでもなく、原判決はすでにこの点において破棄を免れない(大阪高裁昭和三四・三・二七判決 高刑集一二・一・四四、東京高裁昭和四七・四・一三判決、東京高裁判決時報二三・四・六四参照)。
(海部安昌 小川泉 山崎宏八)