東京高等裁判所 昭和47年(う)2662号 判決
被告人 高木忠昭
〔抄 録〕
所論は原判示第二事実につき、公訴事実によれば、被告人が内藤公文に対し恐喝の手段たる脅迫行為を行った日時を昭和四五年四月上旬ころとし、そのころ同人から現金五万円の交付を受けたとしているに対し、原判決が同年三月末ころ右脅迫行為を行い、同年四月三日ころ右現金の交付を受けたと認定したことは審判の請求を受けない事件について判決した違法があると主張する。本件犯行の日時について公訴事実及び原判決認定事実の各表現がそれぞれの所論のとおりであることは認められるが、四月上旬ころと三月末ころとの間には一日ないし十数日の差があるに過ぎず、日時が事実を特定する一条件であることはいうまでもないが、本件においては犯行の場所、相手方、脅迫行為の内容等よりして公訴の対象とする訴因事実と原判決認定の事実とが同一であることは容易に認め得るので、原判決は審判の請求を受けない事件について判決したものではない。所論は理由がない。
(高橋 寺内 千葉)