大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(ネ)1425号・昭47年(ネ)488号 判決

被控訴人は昭和一八年四月二一日生の健康な男子であり、事故当時大工職として日給二〇〇〇円を下らない収入を得ていたところ、本件事故により左上腕切断の後遺症を負い、そのため、今迄のような大工職(大工である父の補助、手助けぐらいの仕事はできる。)は断念せざるを得なくなり、昭和四三年頃は事務的仕事について日給九〇〇円位を得たこと、被控訴人の職業が大工職であって可なり技術的な肉体労働を内容とするものであったこと、労働基準法施行規則別表第二〔身体障害等級表〕によると、被控訴人の障害は第四級に属し、これを労働省労働基準局長通牒昭和三二年七月二日付基発五五一号の労働能力喪失率表に当嵌めれば、その労働能力喪失率は九二%であること、被控訴人は将来、相応の職業について生計をたてて行くことを考えておりその途が閉されているわけではないこと、その他前記採用証拠から認められる諸般の事情を考量すると、右後遺症による被控訴人の労働能力の喪失率は六〇%と認めるのが相当である。

なお、控訴人は、右労働能力喪失率表に照らし被控訴人の労働能力喪失率は九二%であり、被控訴人の労働能力喪失による逸失利益の損害は金一一、三八五、二五九円である(被控訴人の主張二)と主張するが、右労働能力喪失率表が一つの有力な資料であることは否定できないが、同表制定の趣旨、目的に照らし、被控訴人の労働能力喪失率を考えるについて、同表を唯一、不動の基準として、これのみによるべき合理的根拠はないし、他に、同表を資としつつ前記各採用証拠によって認定した前記労働能力喪失率六〇%を超える労働能力喪失率および前記認定の逸失利益の損害金七、四二五、一六九円を超える損害額三、九六〇、〇九〇円を認めるに足る証拠はない。」

(江尻 長利 後藤)

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