大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(ネ)216号 判決

不動産上の実質的権利者が、他人と通謀し他人名義の虚偽の所有権移転登記を経由するときは、その登記を真実の権利関係に合致するものと信じた第三者が、右虚偽の登記により不測の損害を被るおそれがあるのであるから、そのような行為をするには、ただ自己の損害予防のみでなく、第三者のための危険予防をも考えて、その他人について確実性、信用性、資力などを十分に検討し万一にも右虚偽の登記を悪用されることのないような人を選択し、かつ、仮登記その他の方法による万全の措置を講じておくべきであって、たんにその他人の白紙委任状、印鑑証明書などの交付を受けておくだけでは足らず、右措置を怠ることによって善意の第三者が損害を被ったならば、そのような状態を形成して損害発生の原因を与え、しかもその損害発生を顧慮することもなく右不動産を別途処分し買主名義への所有権移転登記を経由してしまったときは、少なくとも過失にもとづく不法行為責任を負いこれが賠償の責に任じなければならないと解するのが相当である。

(畔上 岡垣 兼子)

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