大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(ネ)344号 判決

三、右認定の事実によって考えれば、訴外会社が分筆にあたり開設した私道敷は公道との連絡に通行するためのものであって、分譲地が各人に取得されて各別の所有者に属するにいたったときは右私道に接着する各土地のため互いにこれを私道として通行する通行地役権が設定されるべきものとされていたものであって、右土地が同一の所有者に属する間はこの関係は各別の利用権として顕現せず、いわば休眠しているが、分譲により各土地を取得した各所有者は右の関係を承認して取得したものというべきであるから、その各土地取得の都度、自己の土地の私道敷に当る部分は右私道に接する他の土地のための通行地役権を負担する承役地として、また自己の土地は他の土地の私道敷分につき通行地役権を有する要役地として、その間相互に交錯する通行地役権を設定したものと認めるのが相当であり、反対の証拠のない本件では右地役権は期間の定めがなく、かつ無償のものであると認めるべきものである。従って他に特段の事情の認められない本件にあっては、右松岡シゲは訴外会社から右四番四九の分譲地を買受けるにあたり、他の者たちと同じく、それが接続する私道部分の半分にあたる自己の土地上に互いに右私道に接する他の土地のため、これを道路敷として通行の用に供すべき義務、すなわち通行地役権の設定を承認したものというべきであり、控訴人の前主永野熊夫は右四九の土地上私道敷部分につき自己の土地五一のため前記地役権を取得し、その後控訴人は右五一の土地を永野から取得するとともに右地役権をも取得したというべきであって、後記松岡の工事までは控訴人らは右部分を通行しており、そのことは松岡も承諾していたものというべきであるから、結局松岡は控訴人ら右私道敷に接する土地の所有者らとの間の右通行地役権の存在を承諾していたものというべきである。

(浅沼 杉山孝 加藤)

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