東京高等裁判所 昭和47年(ネ)388号 判決
所論は現今の貨幣経済社会における金利は通常複利計算がなされる立前であるという前提で本件逸出利益の現価を算出する計算方法もライプニッツ方式によるべきであると主張する。しかし逸出利益の現価を算出するについて将来うべかりし利益からホフマン式のうち複式により中間利息を差引いて計算する方法は最高裁判所判例(昭和三七年一二月一四日最高裁判決、民集一六巻二三六八頁)の認めているところであって、その賠償金は預金等利殖のため運用することを目的とすべきものではなく、これを以って差迫った将来の生計の資、精神上の慰藉等の目的に供すべきものであるから、貨幣資本の利殖や運用を目的とするライプニッツ式複利計算によりその現価を算出しなければ公平を失するという筋合のものではなく、当裁判所はこれを採用しない。
(松永 長利 小木曾)