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東京高等裁判所 昭和47年(ネ)784号 判決 1974年12月24日

控訴人

内田久枝

右訴訟代理人

鈴木忠五

ほか一名

被控訴人

高松福男

妹尾栄一

右被控訴人両名訴訟代理人

徳田敬二郎

主文

被控訴人らの請求は、いずれもこれを棄却する。

訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。

原判決主文第一項および第二項は、被控訴人らによる請求の変更および原審被告佐藤孝一に対する訴の取下により効力を失つた。

事実

被控訴人ら代理人は、当審において請求を変更し、「控訴人内田久枝は被控訴人らに対し、原判決添付物件目録記載の土地および建物(以下「本件土地」、「本件建物」といい、両者を一括するときは「本件不動産」という。)につき、千葉地方法務局市川出張所昭和四一年一月二五日受付第一、六一六号をもつてなされた所有権移転請求権仮登記(以下本件仮登記という。)および同出張所昭和四一年四月一九日受付第一〇、一四一号をもつてなされた所有権移転の本登記(以下本件本登記という。)の各抹消登記手続をせよ、訴訟費用は第一、二審とも控訴人の負担とする。」との旨の判決を求め、控訴代理人は、右変更後の新請求につき、請求棄却の判決を求めた。

当事者双方の事実上の陳述および証拠の関係は、次のとおり付加するほかは、原判決事実摘示のとおりである。

(被控訴人ら代理人の陳述)

(一) 本件仮登記は、昭和四一年一月二四日付の訴外佐藤孝一と控訴人との間における本件不動産の贈与予約、本件本登記は、同人ら間の同年四月一八日付贈与を各原因としてなされているが、右各登記は、いずれも控訴人が訴外佐藤孝一に無断でした登記原因を欠く無効の登記であるから、右訴外人に代位してこれが抹消登記手続を求めるものである。

(二) 訴外佐藤孝一が昭和四二年四月二八日本件不動産を控訴人に譲渡したことは認めるが、右譲渡行為は、佐藤孝一と控訴人との離婚に伴う財産分与としてなされたものではなく、贈与としてなされたものである。仮に控訴人主張のように財産分与としてなされたものであるとしても、右譲渡行為は、佐藤孝一が被控訴人ら債権者を害することを知つてした詐害行為に該当するので、本訴においてこれを取消す。よつて、予備的に、右取消を原因として、本件仮登記および本件本登記の抹消登記手続を求める。《以下省略》

理由

一<証拠>によれば、佐藤孝一に対し、被控訴人ら両名が、それぞれその主張のとおりの債権を有することが認められ、この認定を左右するに足りる証拠はない。

次に控訴人と訴外佐藤孝一とが昭和二三年六月二六日婚姻し、昭和四二年四月二八日協議離婚をしたこと、本件不動産につき、千葉地方法務局市川出張所昭和四一年一月二五日受付第一、六一六号をもつて、同月二四日付贈与予約を原因として佐藤孝一から控訴人宛に所有権移転請求権仮登記(本件仮登記)がなされ、次いで同出張所同年四月一九日受付第一〇、一四一号をもつて、同月一八日付贈与を原因として、控訴人宛に右仮登記の本登記(本件本登記)がなされていること、および隣接不動産についても同出張所昭和四一年一月二五日受付第一、六一七号をもつて、同月二四日贈与を原因として佐藤孝一から控訴人宛に所有権移転登記がなされていることは、当事者間に争いがない。

二本件仮登記および本件本登記の登記原因としてそれぞれ登記されている上記贈与予約および贈与が、訴外佐藤孝一と控訴人との間になされたとの事実は、控訴人の原審および当審における本人尋問の結果を除く本件に顕われた他のすべての証拠によつてもこれを認めることができず、右控訴人本人尋問の結果は、当裁判所の措信しないところである。

しかしながら、<証拠>を総合すると、

(一)  控訴人と訴外佐藤孝一は、昭和二三年六月二四日に婚姻した当時は、双方とも見るべき財産はなかつたが、昭和三四年一月二〇日本件不動産を代金二八〇万円で購入し、同年五月一〇日頃から控訴人が右建物の一部を改造して美容院を開店し(改造に必要な費用は、控訴人が金融機関から借入れた五〇万円で賄い、この借入金も控訴人が返済した。)、その収益を挙げるようになり、次いで昭和三九年二月隣接不動産を金四〇〇万円で購入し(右買受代金のうち、六〇万円は控訴人が出し、うち三〇万円は控訴人が親戚の者から借り受けてこれを出した。)、またその間佐藤の勤務先であつた鹿島建設株式会社(以下訴外会社という。)では、その社員に同会社の株式を取得することを奨励していたところから、孝一も逐次訴外会社の株式を取得し、昭和三九年頃には合計八万余株を所有するに至り、控訴人ら夫婦の経済的基礎も充実するようになつたのであるが、孝一の生活態度は必ずしも家庭的とはいい難く、婚姻当初から控訴人に対してその俸給額を明かにしたことがなく、毎月ある程度の金額を一家の生活費として控訴人に渡すに止まり、また、姻婚後数年を経ずして孝一の帰宅時間が不定となり、このような状態はその後離婚に至るまで継続するという状況であつたため、控訴人は美容院経営による収益を生活費の補助に充てて三人の子女の養育に専念して来たこと、然るに孝一は、一向に自己の生活態度を改めようとせず、上記訴外会社の株券、本件不動産および隣接不動産の権利証を持ち出したので、控訴人は不審に思つて管轄の登記所に赴いて登記簿を調査したところ、隣接不動産について昭和四〇年一〇月六日付で訴外市川英夫のために所有権移転請求権仮登記がなされていることを発見したこと、そこで控訴人は昭和四一年一月頃市川信用金庫から金六〇万円を借入れて、これを右市川に支払い、右仮登記の抹消を受けて隣接不動産が人手に渡ることを防止したが、孝一はその後更に本件不動産をも担保に利用して他から借金しようとする様子が見受けられたので、控訴人は、このままでは夫婦の協力によつて取得することができた本件不動産、隣接不動産および本件土地の北側私道部分に当る宅地のすべてが、控訴人の与り知らない目的のために孝一によつて処分されてしまうことを虞れ、孝一に対し、これらの不動産の所有名義を同人らの子供または控訴人に移すことを懇願し、孝一も右願を容れて、これらの不動産を同人らの長男名義にすることを承諾し、そのために必要な印鑑証明書、実印等を控訴人に交付したので、控訴人はこれを利用して本件不動産につき本件仮登記および本件本登記、本件土地の北側私道部分に当る宅地につき同様の仮登記および本登記、隣接不動産につき千葉地方法務局市川出張所昭和四一年一月二五日受付第一、六一七号をもつて、同月二四日贈与を原因とする所有権移転登記をするに至つたこと、

(二)  右に述べたほか、孝一には昭和三八年頃から他の女性関係もあり、孝一が他の女性に対してした贈物の代金請求書が控訴人の手もとに送られてきたことがあり、また孝一は、遊興やマージャン賭博に耽つて多額の浪費をし、全く家庭を顧みないという状態の連続であつたが、遂に昭和四二年四月頃債権者からの告訴に基く刑事事件で取調を受ける身となつたため、同月二八日控訴人に対し、債権者の一人である大雪物産株式会社に対する債務の支払のための金策方を懇願したこと、控訴人はかねてから孝一の自己本位で全く家庭を顧みない不規律な生活態度と虚言の多い性格に希望を失い、同人との離婚を決意していたので、これを機会に、右大雪物産株式会社に対する孝一の債務の支払のための金策方を引き受けるとともに、孝一に対し控訴人との離婚に同意することおよび財産分与として、本件不動産、隣接不動産および本件土地の北側私道部分に当る宅地を控訴人に譲渡し、控訴人がこれらの土地、建物についてした登記を承認することを求めたところ、孝一はこれを承諾し、その趣旨を記載した念書(乙第一号証)を作成してこれを控訴人に手渡したこと、控訴人は市川信用金庫からの借用金等で調達した合計金一一〇万円を前記大雪物産株式会社に支払い、上記の土地、建物につき右訴外会社のためになされている抵当権設定仮登記、停止条件付賃借権設定仮登記および停止条件付所有権移転仮登記の各抹消登記を受けたこと、

およそ以上の事実が認められ(る。)<証拠判断省略>

以上認定の事実によれば、本件不動産は、控訴人が昭和四二年四月二八日孝一と協議上の離婚をした際、財産分与として孝一から譲渡を受け、その所有権を取得したものであることは明らかであつて、本件仮登記および本件本登記は、結局相合して現在の権利関係の実体に符合するものとなつたものというべきであり、従つて本件仮登記および本件本登記を登記原因を欠く無効の登記であるとする被控訴人らの主張は理由がない。

三そこで進んで被控訴人らの詐害行為取消の主張について検討する。

<証拠>を総合すると、

(一)  控訴人および訴外佐藤孝一夫婦は、前認定のとおり殆んどめぼしい財産なく結婚し、以来夫婦の協力によつて、本件不動産および隣接不動産を取得し、また本件土地の北側私道部分に当る宅地30.24平方米を昭和三五年五月二三日代金一〇万円で取得したのみならず、昭和二八年頃から訴外会社の株式を買始め、逐次買増して昭和四〇年頃には合計八万余株を所持するに至つたのであるが、以上の財産のうち訴外会社の株式七、〇〇〇株が控訴人名義および六、〇〇〇株が子供名義(子供一人につき、各二、〇〇〇株ずつ)となつていたほかは、すべて孝一名義となつていたこと、

(二)  右のとおり控訴人ら夫婦の経済的基礎が次第に充実して来た反面、孝一は、昭和三八年頃からマージャン賭博、遊興等による浪費が次第にはげしくなり、また、これに加えて孝一と同郷人である訴外石河電機の経営者が他から融資を受けるための担保として訴外会社の株式約二万五、〇〇〇株を貸与したため、金利の支払や右株式の買戻をしなければならなくなる等、金員の必要に迫られ、控訴人に頼んで金策をして貰うだけでは到底及びもつかず、次ぎ次ぎと多数の者から借金をし、控訴人ら夫婦が離婚をした昭和四二年四月二八日当時、このようにして生じた孝一の債務は合計約金二、八〇〇万円にも達し、八万余株もあつた訴外会社の株式も、控訴人の知らない間にその殆んどすべてが人手に渡つていたこと、しかし孝一は控訴人に対しこのような多額の債務のあることを極力秘していたため、控訴人は離婚当時、孝一に他からの借金があることは推測していたものの、八万余株に上る訴外会社の株式のみならず、本件不動産および隣接不動産をも手放さなければならない程の巨額の債務があることとは露知らず、控訴人は、それまでに孝一の要請に応じて、借金返済のために他から借用して合計金三五〇万円を調達したが、これによつて本件不動産や隣接不動産、株式等を保全することができると考へたからであつて、右金三五〇万円も控訴人が自己の経営する美容院の収益のなかからこれを返済していたこと、

(三)  以上の如く孝一は、昭和三八年頃から昭和四二年四月頃までの間に合計金二、八〇〇万円に上る多額の債務を負担するに至つたのであるが、右債務は殆んどすべて孝一の遊興やマージャン賭博等の放縦な生活によつて生じたものか、または第三者の債務の保証をしたことによつて生じたものであつて、控訴人ら夫婦によつて営まれる一家の生活の維持のための債務と見るべきものは、僅々合計金五〇余万円(協和銀行に対する債務金二二万円および訴外会社に対する債務金三一万円)にすぎないものであつたこと、孝一は以上のような無責任な生活態度の当然の帰結として訴外会社を退職せざるを得なくなり、控訴人との離婚後である昭和四二年五月一日付で訴外会社を退職し、同会社から退職金として合計金一九四万円が支給されたが、右金員は殆んど孝一の債務の支払いに充当され、控訴人に対しては、同年四月分の一家の生活費として金一〇万円が渡されたに過ぎなかつたこと、

(四)  控訴人は昭和四二年四月二八日佐藤孝一と離婚し、長男公明(昭和二四年一二月一五日生)、二女彰子(昭和二七年九月二二日生)および二男誠剛(昭和三三年二月一六日生)の三人の子供の親権者となつて、これらの子供を引取つてその養育を続けて来たが、離婚以来孝一から子供の養育費の支払いもなかつたため、昭和四二年一一月六日、隣接不動産を代金合計金五五〇万円で訴外国府重則に売却し、その売得金のなかから控訴人が孝一の債務の支払のために他から借用した金員の返済等をなし、残額約三〇〇万円を子供達の養育費や教育費等の支出に充てたこと、離婚当時控訴人ら夫婦の所有していた家具その他の動産類は、孝一の債権者がこれを差押えて競売に付した際の評価額が約一二万円であつて、控訴人はこれを合計一〇万円位で買取つたこと、また控訴人らの離婚当時における訴外会社の株式の価格は一株につき少なくとも金二一五円を下らなかつたこと、

およそ以上の事実が認められ〔る。〕<証拠判断省略>

四以上二および三で認定した事実に本件弁論の全趣旨を総合すると、昭和四二年四月二八日当時における控訴人ら夫婦の財産状況はおよそ次のとおりである。

(1)  積極財産

(イ)  不動産

(ⅰ) 本件不動産(時価五五〇万円から六〇〇万円程度)

(ⅱ) 隣接不動産(時価右と同様)

(ⅲ) 本件土地北側の私道部分宅地(時価七〇万円程度)

(ロ)  訴外会社からの退職金一九四万円

(ハ)  動産類(時価一二万円程度)

なお、訴外会社株式八万余株(離婚当時におけるその時価は、一株金二一五円として金一、七二〇万円程度)は、さきに認定したとおり、控訴人らの離婚当時においては、その殆んどすべてが他人の手に渡り、孝一の手許には現存していなかつたけれども、このような結果を招いたのも、孝一の家庭を顧みない放縦な生活によるものであるから、控訴人が受けるべき財産分与の額を定めるに当つては、これを考慮に入れる必要がある。

(2)  消極財産

金銭債務 約金二、八〇〇万円

控訴人と孝一の離婚当時における財産状況は、以上のとおりであつて、控訴人は、財産分与として上記積極財産のうちの不動産全部の分与を受けたのであるから、控訴人は、積極財産として残つていた財産の殆んどすべてを取得したといつても過言ではない。しかしながら、これらの不動産は、孝一と控訴人夫婦の協力によつて得た財産というべきであるのみならず、これを夫婦の共同の財産として維持するために控訴人として相当の努力をしたこともさきに認定したとおりである。また、訴外会社の株式八万余株は、同会社の方針に従つて孝一の給与のなかから徐々に買足されていつたものであつて、これまた控訴人ら夫婦の協力によつて得られた共同の財産というべきであり、控訴人らの離婚当時、これらの株式の殆んどすべてが人手に渡つて夫婦の手許に残つていなかつたとしても、このような結果を招いたのも、ひとえに孝一の家庭を顧みない放縦な行為によるものである以上、財産分与に際して控訴人が受けるべき財産の額を定める上においては、右株式の価額は、これを離婚当時における夫婦の共同の財産のなかに加え、かつ、孝一に帰属したものとして考慮するのが相当である。また、孝一の訴外会社からの退職金のうち金一〇万円だけが家族の生活費として控訴人に渡されたに過ぎず、さらに動産類は孝一の債権者によつて競売に付されたことをも併え考えると、積極財産のうちの不動産の価時がたとえ被控訴人ら主張のとおりの価額に上るものと仮定しても、控訴人が分与を受けた財産の額は、夫婦の共同の財産の二分の一に満たないのである。夫婦の婚姻中における財産関係の清算ないし夫婦の協力によつて得た財産の分配を主眼とする財産分与の制度の趣旨にかんがみ、控訴人が受けた分与財産は、その分与の方法および額において、決して過大のものということはできない。しかのみならず、控訴人は孝一と婚姻して離婚に至るまでの約二十年間、妻として非難に値するような所為があつたとの事実は、本件に顕われたすべての資料によつても認められず、却つて離婚の主たる原因は、孝一の放縦な生活態度にあつたと認められ、しかも離婚に際して当時未成年であつた三人の子女の養育が挙げて控訴人の負担となつたことを併せ考えれば、控訴人が不動産の全部を分与財産として取得したことは、至当というべきである。

なお、離婚の当時、孝一に二、八〇〇万円を越える借財があつたことは、さきに認定したとおりであつて、離婚に伴う財産分与に当つて、夫婦の一方が負担する債務も、一般的には夫婦の共同生活から生じたものとして、夫婦の他の一方が受けるべき財産分与の方法および額を定める上において、当然に考慮に入れられる筋合である。しかしながら、孝一の右借財は、さきに認定したところからも明らかなように、その殆んどすべてが、孝一自身の遊興、マージャン賭博等、控訴人の全く与り知らない、家庭を無視した放縦な生活態度から生じたものと認められる以上、控訴人が受けるべき財産分与の方法およびその額を定めるに当つては、これを考慮外に置くのが相当である、従つて、離婚の当時、孝一に上記のうな多額の借財があつたとの一事から、控訴人が積極財産のうち不動産の全部を分与財産として取得したことをもつて相当の限度を越えるものとすることもできないといわなければならない。

離婚に際して夫婦の一方が他の一方に対して有する財産分与の請求権は、他の一方に対する一般債権者の債権に優先すべきものでないと同時に、また、これより劣後すべきものでもなく、従つて、夫婦の一方は、他の一方に対して、その債務を清算した後の残余財産についてのみ分与請求権を有するとすべき理はないのであつて、夫婦の一方は、分与の方法および額において相当の限度を越えない限り、他の一方の財産に対し、一般債権者が自己の権利を行使し得るのと同様に、財産分与請求権を行使することを妨げないのである。控訴人が孝一の有する積極財産のうち不動産のすべてを分与財産として取得したことが相当の限度を越えるものでないことは、さきに説明したとおりであり、しかも、控訴人が、孝一に被控訴人らを始め他の債権者に対する多額の債務があることを知りながら、孝一と共謀してこれらの他の債権者を害する意思をもつて本件不動産その他の不動産の分与を受けたとの事実は、本件に顕われたすべての証拠によつてもこれを認め得ないのであるから、控訴人が孝一から本件不動産および他の不動産の分与を受けたことは、正当な権利の行使であり、孝一から見れば、自己の債務の正当な弁済をしたのと同一視し得るものというべく、従つて他の一般債権者に対する詐害行為として取消の対象とせらるべきものではない。

してみれば、控訴人が本件不動産の譲渡を受けたことが被控訴人らに対する関係において、詐害行為となることを前提とする被控訴人らの本訴請求は、失当たるを免れない。

よつて、訴訟費用の負担につき、民事訴訟法第九六条および第八九条の規定を適用し、かつ、原判決主文第一、二項は、被控訴人らの当審における請求の変更および原審被告佐藤孝一に対する訴の取下によりその効力を失つたので、その旨を明らかにすることとし、主文のとおり判決する。

(平賀健太 安達昌彦 後藤文彦)

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