大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(ラ)735号 決定

記録によれば横浜地方裁判所執行官杉山宏臨時職務代行者古屋長重作成の昭和四七年一月二七日付報告書中、抗告人主張の如き賃貸借の存すること(もっとも細江逸郎については、契約年月日が若干異なっている)、競売及び競落期日公告中にはその旨の記載がなされていないことがいずれも明らかであるけれども、島田達作成の同年二月一六日付鑑定評価書によれば、本件競売建物は所有者である抗告人が居住中であるとし、本件土地、建物を合計一〇九五万円と評価し、右金額が最低競売価額として公告されていたところ、件外株式会社白光が右評価額を上廻る一、三四四万五、〇〇〇円で本件競売土地とともに一括競落したことも明らかである。ところで競売期日の公告に賃貸借を掲載せしめている趣旨は、競買申出人に対抗しうべき賃貸借の内容を事前に知らしめて、競売を申出るべきか、申出るとしてもその価額をいかにするかについての参考資料に供せしめるにあると解すべきであるから、公告中に賃貸借の記載がなされていないからといって、これがため競落人が不利益をこうむることはあっても、(したがって競落人はこれに対し即時抗告の利益を有する)所有者である抗告人は、なんら不利益をこうむるものではない。まして本件にあっては前記のように最低競売価額以上の価額で競落されているのであるから、所有者である抗告人としては本件競落許可決定の取消しを求める利益を欠くものというべく、抗告人の右主張も採用できない。

(浅沼 加藤 園部逸)

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