東京高等裁判所 昭和47年(ラ)899号 決定
債権差押および転付命令が利害関係人の審尋を経ずに同時になされ、これに対し債務者から即時抗告の期間内に即時抗告の申立があり、これとともに同命令がなされる前にすでに債権者に送達されていた執行停止決定の正本が抗告裁判所へ提出された場合に抗告裁判所のとるべき措置について考えてみると、債権差押および転付命令は即時抗告の申立によりまだ確定していないのであるから、その限りにおいて強制執行手続は終了していないとみるべきであって、かような場合、抗告裁判所としては、執行裁判所が債権差押および転付命令を発する手続中に執行停止決定の正本の提出を受けたにもかかわらずこれを無視して同命令を発したときと同様に取り扱うのが相当であるから、当該命令は違法となると解すべきである。
債権差押および転付命令は、執行裁判所の執行の方法たる裁判であるから、利害関係人の審尋を経ていない場合には、まず民事訴訟法第五四四条による異議の申立をした上その裁判に対し不服があれば即時抗告をなすべく、直ちに即時抗告をすることは許されないとする見解があるが、この見解によると、債権差押および転付命令が同時に発せられた本件のような場合には、第三債務者に対する送達によって直ちに執行が終了するので、同条による異議申立をしてみてもその目的を達することができず、結局債務者の救済を拒絶する結果となるので、当裁判所はこれを採らない。
(古関 田中 川添万)