大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(行コ)71号 判決

〔主文〕本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

〔事実〕控訴人は、「原判決を取り消す。被控訴人が、控訴人の行政不服審査法に基づいてした異議申立につき昭和四六年二月四日付特総第三、一四九号をもつてした『本件異議申立を棄却する。』旨の決定は、これを取り消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人指定代理人は主文同旨の判決を求めた。

当事者双方の事実上の陳述、証拠の提出、援用、認否は、被控訴人指定代理人において、「本件拒絶査定謄本は大阪府北河内郡交野町字星田三、三三二番地万世荘に宛てて書留郵便に付して発送されたものであるが、右の宛先は本件特許願書に控訴人の住所として記載されていたものであり、右発送当時の控訴人の住所であつたものである。」と述べ、控訴人において、「本件拒絶査定謄本が被控訴人主張の宛先に宛てて発送されたかどうかは知らないが、右宛先が特許出願書に控訴人の住所として記載されていたものであり、発送当時の控訴人の住所であつたことは認める。」と述べたほかは、原判決事実摘示の記載と同一であるから、右記載をここに引用する。

〔理由〕当裁判所は、原判決三丁表三行目「ところが、」から同丁裏九行目「いわなければならない。」までを次のとおり変更するほか、原判決理由の記載と同一の理由により控訴人の本件訴を不適法として却下すべきものと認めるので、右記載をここに引用する(ただし、二丁裏末行の「拒絶査定書謄本」を「拒絶査定謄本」と訂正する。)。

ところが、成立に争いのない甲第三号証(特許願書)、乙第一号書(拒絶査定)、同第二号証(書留郵便物受領証原符)と原審証人Ⅰの証言および原審における控訴人本人尋問の結果を総合すれば、控訴人の前記特許出願については昭和四三年五月二八日拒絶査定がなされ、被控訴人は同年六月一八日その謄本を控訴人に対し、特許願書に控訴人の住所として記載されていた住所であり、控訴人の当時の住所であつた(このことは当事者間に争いがない。)大阪府北河内郡交野町字星田三、三三二番地万世荘に宛てて、同日東京中央郵便局引受(番号二五四号)をもつて、書留郵便に付して発送したことが認められる。そして、拒絶査定の謄本は被控訴人が特許出願人に送達しなければならない書類であるが(特許法第六三条第二項)、審査に関する書類であるから、特許法第一九〇条、民事訴訟法第一七二条により、被控訴人はこれをその指定する職員に書留郵便に付して発送させることができ、これを書留郵便に付して発送したときは、特許法第一九〇条、民事訴訟法第一七三条により、特許出願人に現実に到達したか否かを問わず、その発送の時に送達がなされたものと看做される。したがつて、前記拒絶査定謄本は前認定の書留郵便に付して発送された日である昭和四三年六月一八日に特許出願人である控訴人に送達されたものと看做されるので、同日から特許法第一二一条第一項所定の拒絶査定に対する不服審判の請求期間三〇日が進行し、その期間内に審判請求がなされなかつたことは弁論の全趣旨により明らかであるから、前記拒絶査定は右期間の経過により確定し、控訴人の前記特許出願についての審査手続は終了したものといわなければならない。

よつて、控訴人の本件控訴を棄却する。

(青木義人 瀧川叡一 宇野栄一郎)

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