大判例

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東京高等裁判所 昭和48年(ラ)174号 決定

商法一四条にいう「故意又ハ過失ニ因リ不実ノ事項ヲ登記シタル者」の中には、故意過失により虚偽の事実を自ら登記申請した者およびその共謀者が含まれることは勿論であるが、そのほか、第三者が勝手に不実の登記をした場合においても、これを是正する措置をとるべき義務のある者が、不実の登記の存在することを知り乍ら、その責に帰すべき事由によりこれを放置した場合も含まれるものと解するのが相当である。しかし、原決定の示すような、ひろく不実の登記の存在の知、不知を問わず、現になされている不実の登記につき、これを是正する措置をとるべき義務のある者が、その責に帰すべき事由によりこれを怠り放置している場合までも含まれるものと解するのは、商法一四条の趣旨、目的を逸脱した解釈であって当裁判所の採用しないところである。

五、以上の解釈に基づいて本件を見るならば、抗告人の真の代表取締役である小岩政三は、本件不実の登記を是正すべき義務を負う者ではあったが、不実の登記の存在を知りながら放置したものではなく、かえって右登記の存在を知るや直ちに株主総会決議不存在確認の訴を提起してこれを積極的に是正したものであることが記録上明らかであるから、抗告人は商法一四条にいう「故意又ハ過失ニ因リ不実ノ事項ヲ登記シタル者」には当らないと解するのが相当である。

(浅賀 小木曾 深田)

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