大判例

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東京高等裁判所 昭和48年(ラ)808号・昭48年(ラ)809号 決定

二、記録によれば、抗告人らが各最高価競買の申出をした千葉県館山市所在の各原野の不動産登記簿の表題部地積の表示が、それぞれ各抗告人主張のとおりの面積であり、「再競売および競落期日公告」の不動産の表示において、各不動産の地積として右各不動産登記簿上の地積がそのまま記載されていることは明らかである。

しかしながら、不動産任意競売の競売期日の公告に不動産の表示が要求されるのは、競売不動産を特定させるためであるから、本件の如く土地について言えば、右公告の表示は、不動産登記簿上の地番・地目・地積を記載すべきであり、その際右登記簿上の表示が実際と合致しないことがあっても、その相違が当該不動産の同一性を認識し得ない程に著しいものでないかぎり、右登記簿上の表示にしたがってなされた公告は適法有効であるといわなければならない。ところで本件において、競売各不動産の実測面積が仮に抗告人ら主張のとおりの面積であるとしても、記録を精査しても、また抗告人らの申立の全趣旨に徴しても、それなるが故に本件競売にかかる不動産二筆の各同一性が認識しえないものであるとは到底認められず、したがって、この点を含めて本件競売期日の公告に違法はない。

次に、抗告人らは、右公告にかかる公簿上の面積より実測面積が著しく少ない場合競落人において多大の損失を蒙ると主張するが、競売裁判所は、前述したように公簿上の地積を表示したのでは競売にかかる土地の同一性を認識することが不能または困難であるという事情が手続上明らかになった場合においてのみ当該土地の実測をなせば足り、またそうであるべきであると解せられるから、その土地の実面積、またそれを基礎としたその土地の実価をどのように考えるかは、競買申出をするものにおいて本来事前に調査思案すべき事項であり、いわばその自己責任に属する事項であるから、仮に自らこれを怠たりその結果考え違いをしたとしても、それを理由として、自ら競買申出をした価額による競落を許す旨の決定に対し、それが違法不当であるということはできない。

(久利 舘 安井)

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