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東京高等裁判所 昭和49年(う)1932号 判決 1974年12月11日

主文

原判決を破棄する。

被告人を懲役四月に処する。

理由

<前略>

まず、職権をもつて調査するに、原判決は原判示第一の事実における同判決末尾添付の犯罪事実一覧表番号五記載の無免許運転の罪と、同一の運転の機会に行なわれた原判示第二の積載制限違反の罪とを併合罪として処断しているけれども、右両罪は刑法五四条一項前段の観念的競合の関係にあると解するのが相当であるから(昭和四七年(あ)第七二五号同四九年五月二九日最高裁判所大法廷判決参照)原判決はこの点において法令の適用を誤つたものといわなければならない。しかしながら、原判決は刑法四七条本文、一〇条の適用によつて結局は重い原判示第一の別紙犯罪一覧表一の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で処断しており、最終的には原判決の導き出した処断刑の範囲に差異が生じないことになるので、右法令適用の誤りは判決に影響を及ぼさないものということができる。

(龍岡資久 片岡聰 福嶋登)

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