東京高等裁判所 昭和49年(う)2180号 判決 1974年12月17日
主文
本件控訴を棄却する。
理由
<前略>
控訴趣意第一について。
論旨は、原判示第一の無免許運転の罪と、その無免許運転の途中において犯された原判示第二の一時停止違反の罪とは観念的競合の関係にあると解すべきであるから、右の両罪が併合罪であるとした原判決は、法令の適用を誤つたものというべく、その誤りは判決に影響を及ぼすことが明らかである、というのである。
しかしながら、道路交通法違反罪等の罪数関係に関する最高裁判所の判例(昭和四九年五月二九日大法廷判決)の趣旨に徴して考えてみると、右の両罪は併合罪の関係にあると解するのが相当であるから、この点について原判決の法令の適用に所論のような誤りはない。論旨は理由がない。<後略>
(矢崎憲正 大澤博 本郷元)