東京高等裁判所 昭和50年(う)1221号 判決
被告人 小関四郎
〔抄 録〕
(本件速度測定カードの証拠能力に関する主張について)
本件速度測定カードは、測定の状況に関する記載部分と速度測定記録書の貼付部分とから成るが、右測定の状況に関する記載部分は、作成者の岩崎巡査が本件速度測定装置の設置状況及び速度違反取締りに従事した同巡査ら四名の配置状況などにつき、その五官により観察ないし認識したところを記載したものであり、また速度測定記録書は、速度測定カードと一体をなすものとしてその所定欄に貼付されたもので、前示のように、作成者の中島巡査が監視係の北山巡査から通報を受けることにより認識したところを記載したものであり、いずれも実況見分調書に準ずるものというべく、その作成者が公判期日において真正に作成されたものであることを供述するときは、刑訴法三二一条三項の書面としてこれを証拠とすることができると解すべきである(もっとも、右速度測定記録中、走行速度に関する部分は、前記のように、本件速度測定装置により印字記録されたものであり、一の証拠物として、本来、刑訴法三二〇条以下の伝聞法則の適用外にあるものであるが、同記録書中他の記載部分と不可分のものとして前同様の証拠能力を与えるべきである。)。そして、右速度測定カード及び速度測定記録書が真正に作成されたことはすでに判断したとおりであるから、原審がこれらを証拠として採用したことにつき、所論の採証手続の違背は存しない。
(相澤 大前 油田)