大判例

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東京高等裁判所 昭和51年(う)808号 判決

被告人 浅子正三

〔抄 録〕

職権で判断すると、前示のとおり被告人は県信連の監査機関である監事ないし代表監事の職にあって県信連の財産と業務執行の状況を監査し、その報告をするとともに、理事会に出席して意見を述べることができる職務に従事していたものではあるが、県信連の業務執行そのものについての権限はなく、本件の各事業推進費・業務管理費等の予算を業務上保管する立場にあったとは認められない。したがって、被告人としては業務上占有する身分のない者がこれらの身分のある原判示相被告人らと共謀して本件犯行に及んだものとして刑法六五条一項により業務上横領罪が成立するが、その刑については同法六五条二項により通常の横領罪の刑で処断すべきものである。そうであるのに、原判決が被告人の原判示行為につき刑法六〇条、二五三条を適用しただけで同法六五条一、二項、二五二条一項を適用しなかったのは法令の解釈・適用を誤ったもので、この誤りは処断刑の範囲に大きな差異をきたし判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、この点で原判決は破棄を免れない。

(横川 渡辺 中西)

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