東京高等裁判所 昭和51年(行ケ)41号 判決
原告主張の請求原因事実は、すべて当事者間に争いがなく、この事実によれば、原告は、本件実用新案登録の無効の審判を請求するにつき法律上の正当な利害関係を有するというべきである。
したがつて、原告は本件実用新案登録無効審判を請求するにつき利害関係を有しないものとしてこれを却下した審決は、違法である。
よつて、その取消を求める原告の本訴請求は、正当であるから、これを認容する。
〔編註〕 本件における請求原因は左のとおりである。
一 被告は、登録第八六三二八二号実用新案「容器のふた」の権利者である。原告は、昭和四八年一月三一日この実用新案(以下「本件実用新案」という。)について特許庁に対し無効審判を請求したところ(昭和四八年審判第四三一号事件)、特許庁は、昭和五一年三月一日、審判の請求を却下する旨の審決をし、その謄本は、同月二四日原告に送達された。
二 審決の理由の要旨は、「実用新案登録無効の審判の請求は、法律上の利害関係を有する者でなければこれをすることができないと解されるところ、審判請求人(原告)においてこのような法律上の利害関係を有するという事実を認めるに足りる証拠は、何も存在しないので、審判請求人は、本件審判を請求するについて利害関係を有しないものといわざるを得ず、その審判請求は、不適法であり、却下を免れない。」というにある。