東京高等裁判所 昭和53年(う)1319号 判決
被告人 和田鐵男
〔抄 録〕
原判決挙示の関係証拠によれば、被告人は、前記松坂及び小林の両名から売春の相手方を紹介して欲しいと依頼され、原判示の前記高橋ら三名をそのつど右児童らの売春の相手方として紹介した結果同児らが本件各売春行為をするに至ったものであることが明らかである。そして、なるほど本件各売春行為は右児童らの自由意思によるものであって、被告人の右児童らに対する強制あるいは欺罔によってこれを行なわせたりしたものでないことは所論のとおりであり、また積極的にこれを勧めたものでないと認められるけれども、被告人の右の行為は、右児童らの本件各売春を助長し促進する行為であって、児童福祉法三四条一項六号の法意にかんがみ、前記の事情にかかわらず同法条にいう児童に淫行をさせる行為にあたるものと解すべきである(昭和三〇年一二月二六日最高裁第三小法廷判決、刑集九巻一四号三〇一八頁、同四〇年四月三〇日最高裁第二小法廷決定、裁判集一五五号五九五頁参照)。なお、被告人自らも原判示の三名と同行し、そのつど右三名の相手方以外の児童の売春の相手方となったからといって、右罪の成立を妨げる事情とはならないことはいうまでもない。原判決には所論の事実誤認はない。
(環 斉藤 小泉)