大判例

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東京高等裁判所 昭和53年(行ケ)124号 判決

事実及び理由

原告の請求の原因及び主張の一ないし三は当事者間に争いがない。

そこで、本件審決に、これを取消すべき違法事由が存するかどうかについて考えるに、第一、第二、第三引用例(成立について争いのない甲第三、第四、第五号証)には審決が認定したような事項が記載されていることが認められるところ、審決理由を検討してみると、本件考案は右各引用例記載事項に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとした審決の認定は妥当である。

原告は、本件考案によれば、熱電素子一個と指示計とによつて、メインバーナへのガス通路の電磁弁を熱電素子の熱起電力で制御し、且つその熱起電力それ自身を確認できるため、第一、第二引用例のものに比べて、構成部品数が減少するとともに、第二引用例におけるようなメインバーナへのガス通路の電磁弁制御用の外部電源が不要になり、また、第二引用例におけるメータ継電器は、故障が生じて接点が閉じたままになれば、パイロツト炎が存在しない場合でも、メインバーナから生ガスが放出される危険があるが、本件考案ではそのような危険は皆無であり、本件考案の特徴と、第一、第二引用例からは得られない右のような本件考案の実用上の効果を勘案すれば、審決が認定するような「熱電素子を一つにするか、二つにしてそれぞれ指示ランプと電磁弁とを別個に制御するかは当業者にとつて設計上取捨選択可能な問題にすぎない」ものではない、との趣旨の主張をする。

しかしながら、本件考案が各引用例の記載に基づき当業者がきわめて容易に考案することができたものと認められることは前記のとおりであつて、仮に第一、第二引用例にはないような原告指摘のような効果が本件考案にあるとしても、その効果は、本件考案の構成から当然出て来るもの以上には出ないものであり、当業者の予測できるものと認められるから、その効果があることを勘案しても、本件考案が各引用例からきわめて容易に考案できたことを否定すべきであるということはできない。

原告は、また、本件考案には各引用例の考案の総和以上の格別の効果があるのに、これを否定した審決には誤認があるというが、本件考案はそれが各引用例からきわめて容易に考案できたものとすることを否定しなければならないほどの格別の効果を有するものとは認められない。原告の主張は、理由がない。

以上のとおりであつて、審決に違法の点はなく、原告の本件審決の取消を求める請求は理由がないからこれを棄却する。

〔編註〕本願考案の要旨は左のとおりである。

パイロツトバーナで加熱される熱電素子の起電力を電源としてメインバーナへのガス通路の電磁バルブを制御するとともに、その同一の熱電素子の起電力を指示計に加えることによつて、電磁バルブ開閉用の電源そのものの存在を確認できるようにしたことを特徴とするガスバーナ装置

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