東京高等裁判所 昭和53年(行ケ)132号 判決
請求の原因一ないし三の事実は当事者間に争いがない。
原告は、審決の理由中本件発明の要旨認定部分を認めるのみで、その余の部分である本件特許を無効とした認定判断、すなわち審決が甲号各証として摘示した各引用例の記載内容、右各引用例との対比及び右各引用例から本件発明が容易になし得たとする認定判断をすべて争つている。本訴は特許無効審判事件につきこれを認容した審決に対する取消訴訟であるところ、審決に示された特許無効事由は、特許法施行法二五条一項によりなお効力を有する旧特許法(大正一〇年法律第九六号)一条、四条の趣旨により無効請求人である被告においてこれを立証すべきものと解するのが相当である。しかるに被告はこの点について何らの立証をしないから、審決は取消を免れない。
よつて、原告の本訴請求を正当として認容する。