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東京高等裁判所 昭和53年(行ケ)3号 判決

事実及び理由

一  請求原因事実は、全部当事者間に争いがなく、原告の主張する、本件考案の特徴的構成部分及び作用効果並びに第一引用例の構造、殊に、成立に争いのない甲第二号証、同第三号証により認められる次の点、すなわち、第一引用例のものは、壁板(イ)をもつて構成する木製洋服函であり、その壁板(イ)は、薄板(1)の一面に、繊維方向に対し直角に所要の切り筋を設け、その切り筋を内側に屈折し、両端を糊着して間隙(2)を有する二重構成板とし、かつ、二重構成間隙(2)内に、繊維方向に対し直角に内芯杆(3)を適宜の間隔を保つて挿嵌し、これを薄板(1)の内面に糊着して形成するものであるところ、この壁板(イ)をもつて、各別に、底板(4)、前後側板(5)、左右側板(6)を造り、その左右側板(6)を、底板(4)と前後側板(5)との各側端に附着するには、(一) 底板(4)とは、第三図に示すように側端杆(7)及び薄板(1)の端面に糊着し、(二) 前後側板(5)とは、第一図及び第四図に示すように各内芯杆及び薄板を直角に突き合わせて糊着し、かつ別に、隅角部の間隙(2)内に、方形片板(8)を嵌合し、方形片板(8)の上下面及び両外側面において、それぞれ隣接内芯杆(3)及び薄板(1)に糊着するものであるが、右(二)の構成(方形片板(8)は、隅角部の間隙(2)内に嵌合されて、前後側板(5)と左右側板(6)とを1その内芯杆(3)及び薄板(1)に対する方形片板(8)の糊着によつて1接合するに資するものである。)は、本件考案の要旨中、箱体1の「稜線接合部において少なくとも四つの平面体2、3、4、5を上記平面体と同一材料よりなる稜材10をもつて一体に接合した」構成(稜材10は、四つの合成樹脂製の平面体の2、4と3、5との間を一体に架橋接合する同一材質の部材である。)に対応するものであつて、両者のこの構成がたがいに全く異なることは、説明をまつまでもなく明らかであることを合わせ考えれば、両考案の相違点(4)、(4)′についてした審決の判断が誤つていることは明らかである。そして、審決は、この判断を前提にして、本件考案の進歩性を否定しその登録を無効にしたものであるから、原告主張の違法があるというべきである。

二  よつて、本件審決の違法を理由にその取消を求める原告の本訴請求を正当として認容する。

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