東京高等裁判所 昭和53年(行ソ)1号 判決
再審原告は昭和五三年一月一〇日当裁判所に本件訴状を提出したのであるが、該訴状にはこれを送達すべき再審被告両名の住居所その他の場所の記載がなく、その後再審原告から提出された昭和五三年一〇月二〇日付の「再審を求める訴状」と題する書面においても、右送達すべき場所としては、再審被告Iについては、「特許登録原簿の住所、東京都世田谷区玉川奥沢一丁目三九二番地」、再審被告Kについては、「特許登録原簿の住所、東京都目黒区上目黒六の一三七二番地」と記載されているのみで、それ以外に右送達すべき場所を明らかにするものはなかつた。
再審原告が記載した再審被告両名の右「特許登録原簿の住所」は、いずれもそれぞれ再審被告両名の最後の住所であつて、再審被告両名はいずれも既にこれらの場所から転居しており、転居先不明であるため、右「特許登録原簿の住所」の記載だけでは再審被告両名に本件訴状を送達できないことが一件記録に徴して明らかであつた。
そこで、民事訴訟法第四二三条、第二二九条第二項、第二二八条第一項の規定により、再審原告に対して、昭和五四年八月一五日付補正命令により、該命令到達の日から四週間内に再審被告両名の各住所を補正すべき旨を命じ、右命令正本は同月二二日に再審原告に送達されているのであるが、右期間を経過しても、再審原告はこれを補正しない(再審原告は昭和五四年八月二七日付の書面を提出しているが、これによつても再審被告両名の現在の住所その他の送達すべき場所は不明である。)。
そうすれば、民事訴訟法第四二三条、第二二九条第二項、第二二八条第二項の規定により、本件訴状はこれを却下する。