大判例

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東京高等裁判所 昭和54年(う)1997号 判決

被告人 松本信

〔抄 録〕

関係証拠なかんずく右多見の原審証言によれば同巡査は被告人らから「本当のおまわりか。名前を教えろ。」と要求され、着用の防寒コートのぼたんをはずし、制服を見せ、さらに警察手帳をポケットからとり出して示し、身分を明らかにしていることが認められる。所論のいう警視庁警察職員服務規程二四条には「職員は相手方から身分の表示を求められたときには職務上支障があると認められる場合のほか、所属、階級、職及び氏名を告げなければならない」と規定されているけれども、同服務規程は警視庁警察職員の服務に関する訓令であり、いわば内部的な規律維持のためのものであり、その違反は警察官の職務執行行為の効力に影響を及ぼすものでないことは明らかであり、警察官が職務質問をするに当っては自らが警察官であることを明確にすれば足り、それ以上に官職、氏名までも明らかにする必要はないと解すべきであるから、結局、多見巡査の本件職務質問の違法、不当をいう所論はいずれも採用の限りではない。

(千葉 神田 中野)

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