東京高等裁判所 昭和54年(う)993号 判決
被告人 水田義一
〔抄 録〕
所論は、原判決は、(事実認定について)の項第一の二2において、時速四〇キロメートルで進行中の普通乗用自動車が安全停止することができる距離として二〇メートルという数値を出して説示しているが、右の安全停止することができる距離とは急制動の措置をとることによって停止することができる距離を意味することになり、安全停止することができる距離をそのようにみることはできない<中略>から、原判決の右説示は道交法施行令二条一項の解釈を誤ったものである、と主張する。
しかしながら、道交法施行令二条一項の表中「黄色の燈火」の項、「信号の意味」欄二号には、「車両及び路面電車(以下この表において「車両等」という。)は、停止位置をこえて進行してはならないこと。ただし、黄色の燈火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。」旨定められているが、同号ただし書のいう、安全に停止することができるか否かは、対面信号機が黄色表示に変ったときに車両等が急制動の措置をとり停止することができる距離が停止位置までの間にあるか否かによるものであって、対面信号機が黄色信号表示に変ったときに右のような距離が停止位置までの間にある車両等には黄色信号を確認し、停止位置をこえて進行してはならない注意義務があるものと解するのが相当である(最高裁昭和四七年五月七日一小判決判例時報六六七号参照)。<以下略>
(向井 磯邊 村田)