大判例

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東京高等裁判所 昭和54年(ネ)1787号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

控訴人(原告)が主張した事実関係は、次のとおりであり、被控訴人(被告)らは、不出頭のため、この事実を自白したものとみなされた。

一審被告会社は、資本金一〇〇万円をもつて、昭和四九年六月一〇日、有限会社斎藤興業所との商号で設立され、昭和五二年七月一一日、その商号を有限会社斎藤瓦店と変更した。同会社は、被控訴人ら夫婦と被控訴人勇の長男斉藤廣美が形式上取締役となつているが、他に従業員はおらず、また、土地建物等の不動産も所有せず、その財産関係は、被控訴人ら夫婦の財産と混同し、その内容は同一である。したがつて、同会社は、単に名称だけの存在であつて、その法人格はまつたくの形骸にすぎない。

【判旨】

二ところで、社団法人について、その法人格がまつたくの形骸にすぎない場合又はそれが法律の適用を回避するために濫用されているような場合には、これと取引をした相手方は、右社団法人の法人格を否認することができ、同法人名義でされた取引についても、その背後にある実体たる個人に対して責任を追求することができるものと解すべきところ(最高裁判所昭和四四年二月二七日判決参照)、本件の場合には、前記自白したものとみなされた事実によれば、一審被告会社の法人格はまつたくの形骸にすぎず、被控訴人らは、いずれも、同会社の背後にある実体たる個人にあたると認めるのが相当であるから、被控訴人らは、控訴人が一審被告会社に売渡した瓦の販売代金につき、その支払の責任があるものというべきである。

(小河八十次 日野原昌 野田宏)

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