大判例

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東京高等裁判所 昭和54年(ネ)2854号 判決

右認定事実によれば、本件枝にはそれ自体に腐朽部分等折断の原因となり得るものは認めることはできず、本件枝が亡けいの頭部に落下したのは、当時の強風により、通常予期し得ない生木の折断と境内外への飛散が重なったために惹起されたものと認めるのが相当である。控訴人らは最大瞬間風速毎秒一八メートルという格別の暴風とはいえぬ風によって本件枝が切断落下したのであるから、その瑕疵を推定すべきであると主張するが、本件事故当時吹いていた風が風速毎秒一八メートルを超えなかったとする確証はなく、また本件枝及び幹には枯死部分はなく生木であり、特に折れ易くなっていたものでないことは前記認定のとおりであるから、控訴人の右主張は採用できない。次に、控訴人は本件枝はいわゆる徒長枝であって強風のときには折れ易いものであるから、その枝下しをしなかったことは本件樹木の栽植又は支持について瑕疵のある場合に該当すると主張するが、本件枝が控訴人らの主張する徒長枝に当たることを認めるに足りないことは前記認定のとおりであるから、右主張も採用し得ない。

そうすると、本件樹木について、通常竹木が有すべき安全性を欠いていたということはできず、他に本件枝の落下について竹木の栽植又は支持の瑕疵があったことを認めるに足りる証拠はない。

(渡辺 藤原 渡辺)

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