東京高等裁判所 昭和54年(ラ)603号 決定
民法第三九八条の二二第一項にいう「第三者ニ対抗スルコトヲ得ベキ賃借権ヲ取得シタル第三者」の中には、同法第三九五条所定のいわゆる短期賃借権者も含まれるものと解するのが相当である。けだし、これと異なる解釈をすべき法文上の根拠は全く存在しないのみならず、民法第三九八条の二二による根抵当権消滅請求の制度の趣旨は、根抵当権者の期待利益を侵害しない範囲内において同条所定のその余の権利者の利益を保護しようとすることにあると解されるところ、同条所定の賃借権者の中に同法第三九五条所定の短期賃借権者が含まれていても、それによって根抵当権者の期待利益が侵害されることは全く考えられないからである。
(沖野 奥村 谷沢)