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東京高等裁判所 昭和54年(行コ)105号 判決 1981年9月30日

東京都台東区上野四丁目六番九号

控訴人

洪昌五こと 洪昌九

右訴訟代理人弁護士

有賀功

東京都台東区東上野五丁目五番一五号

被控訴人

下谷税務署長

神保正夫

右訴訟代理人弁護士

青木康

右指定代理人

佐々木正男

国延哲夫

中川昌泰

野口雅史

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴人は、「原判決を取消す。被控訴人が昭和四二年三月三一日付で控訴人に対してした控訴人の、(一)昭和三九年分所得税についての更正処分のうち総所得金額二一七万七四三六円を超える部分、(二)昭和四〇年分所得税についての更正処分のうち総所得金額二三七万五〇〇〇円を超える部分をそれぞれ取消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は、主文同旨の判決を求めた。

当事者双方の主張、立証の関係は、左記に付加するほかは原判決事実摘示のとおりであるからこれを引用する。

(主張)

一  控訴人(推計の必要性の欠如についての補足)

控訴人は、控訴人係官の調査において、昭和三九年度分の月別売上、支出一覧表、景品の出品一覧表等を提示したが、その際併せてその基礎となる伝票等の書類をも見せようとしたが、係官は頭からこれを信用せず見ようともしなかったものである。

二  被控訴人

控訴人の右主張は争う。

(証拠)

一  控訴人

甲第二二、第二三号証を提出し、当審における控訴人本人の尋問の結果を援用。

二  被控訴人

右甲各号証の成立は不知。

理由

一  当裁判所も、被控訴人の本件各更正処分はいずれも適法であり、違法な点はないものと判断するものであるが、その理由は左記に付加するほかは原判決理由説示のとおりであるからこれを引用する。控訴人の当審における主張、立証も右認定判断を左右するものではない。

控訴人は、被控訴人係官の課税調査において、同係官に対して、昭和三九年度分の月別の売上、支出、景品の出品一覧表を提示したがその際、その基礎となる伝票等の書類をも提示しようとしたが、係官は頭からこれを信用せず見ようともしなかったと主張するが、被控訴人係官の再三にわたる、売上、仕入等の裏付となる伝票その他の帳簿書類、領収書等の基礎書類についての提示要求にもかかわらず、控訴人は一切これに応じようとせず拒否していたことは引用にかかる原判決の理由のとおりであって、これに反する控訴人の当審供述は採用できず、本訴において控訴人提出の月別売上日計表や振替伝票類の記載がたやすく信用し難いものであることは、引用の原判決理由のとおりであるから、右主張は理由がない。

二  よって、右と同旨の原判決は相当であって、本件控訴は理由がないからこれを棄却し、控訴費用の負担につき行訴法七条、民訴法九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 田中永司 裁判官 岩井康倶 裁判官宮崎啓一は転補のため署名押印することができない。裁判長裁判官 田中永司)

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