東京高等裁判所 昭和54年(行ソ)2号 判決 1980年12月23日
再審原告
石川末雄
再審被告
静岡県選挙管理委員会
右代表者委員長
後藤磯吉
右指定代理人
谷沢清
同
鈴木勲
主文
本件再審の訴を却下する。
再審の訴訟費用は再審原告の負担とする。
事実《省略》
理由
一記録によれば、再審原告は、原判決について、本件とまつたく同一の再審事由の存在を主張して、再審の訴(昭和五三年(行ソ)第六号)を提起したが、判旨前再審判決は、右主張の再審事由の存在はすべて認められない旨の判断をして、右訴を却下し、右判決は確定したことが明らかであるから、右判決の効力として、右各再審事由の不存在が確定され、再審原告が、再び同一再審事由を主張して、原判決に対する再審の訴を提起することは、できないものというべきである。
二次に前再審判決に対する再審事由の主張について判断する。
判旨前記再審事由二項2の主張は、前再審訴訟においても再審被告の代理人に授権の欠缺があつた旨を主張する趣旨であるとしても、前再審判決は、再審原告の主張自体から再審事由の存在を否定して、その再審の訴を却下しているのであつて、再審被告代理人の訴訟行為は判決の基礎となつていないことが明らかであるから、右主張の事由の存否は判決の結論に影響を及ぼすものではなく、したがつて、前再審判決に民事訴訟法第四二〇条第一項第三号所定の再審事由があるものということはできない。
再審事由二項の1、3ないし5で再審原告が主張する事由は、同法同条同項の第一及び第二号、第四ないし第八号各所定の事由にいずれも該当しないことが明らかである。
三以上の次第で、本件再審の訴は不適法であるから、これを却下し、訴訟費用の負担について民事訴訟法第九五条、第八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(小河八十次 内田恒久 野田宏)